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2020-12-02 10:42:19 +09:00
---
title: Web GPIO API/Web I2C APIをRaspberry PiのNode.jsから使う
emoji: 🤖
topics: [nodejs, raspberrypi, chirimen]
type: tech
published: true
---
2020-12-02 10:45:21 +09:00
この記事は [CHIRIMEN Open Hardware Advent Calendar 2020](https://qiita.com/advent-calendar/2020/chirimen_oh) 2 日目の記事です。
2020-12-02 10:48:22 +09:00
[CHIRIMEN チュートリアルの中の記事](https://tutorial.chirimen.org/raspi/nodejs)を一部加筆修正しました。
2020-12-02 10:45:21 +09:00
2020-12-02 10:42:19 +09:00
## 概要
2020-12-07 23:40:33 +09:00
Raspberry Pi の Node.js^[[Node.js](https://nodejs.org/) は、オープンソース・クロスプラットフォームな JavaScript 実行環境です。
[パッケージマネージャー npm](https://www.npmjs.com/) を利用して膨大なパッケージにアクセスでき、IoT プロトタイピングだけでなく幅広いアプリケーションを作るために使われています。]から Web GPIO API と Web I2C API を扱う方法を説明します。
2020-12-02 10:42:19 +09:00
:::message
[Web GPIO API](http://browserobo.github.io/WebGPIO/)/[Web I2C API](http://browserobo.github.io/WebI2C/) とは [W3C の Browsers and Robotics コミュニティグループ](https://www.w3.org/community/browserobo/)で標準化に向けての検討されている、JavaScript で Web アプリから電子パーツを直接制御できる低レベルハードウェア制御 API です。
:::
## 準備
プログラムを実行するには Raspberry Pi に Node.js をインストールします。CHIRIMEN を利用する場合はあらかじめ Node.js がインストールされているので不要です。
もし CHIRIMEN の microSD カードを作成する方法を知りたい場合は [CHIRIMEN の SD カードイメージの作成方法](https://tutorial.chirimen.org/raspi/sdcard)を参照してください。
:::message
[CHIRIMEN](https://chirimen.org/) は、Web ブラウザからハードウェアを制御するプロトタイピング環境です。
:::
## Raspberry Pi に Node.js をインストールする方法
いくつか方法はありますが、ここでは [NodeSource を使ったインストール方法](https://github.com/nodesource/distributions#installation-instructions) を紹介します。
ターミナルを起動して以下のコマンドを実行します。
```sh
2020-12-12 12:00:05 +09:00
curl -sL https://deb.nodesource.com/setup_lts.x | sudo -E bash -
2020-12-02 10:42:19 +09:00
```
```sh
sudo apt-get install -y nodejs
```
これで Node.js のインストールは完了です。
## 新しいディレクトリの作成
続いて、実際にアプリケーションを作る前にプログラムを実行するための環境を整えます。作業用のディレクトリを作り、そのディレクトリの中でプログラムを実行します。
ターミナルを起動して以下のコマンドを実行します。
```shell
mkdir hello-real-world
```
```shell
cd hello-real-world
```
npm のためのファイル package.json を作成します。
```shell
npm init -y
```
作業用のディレクトリの中に npm パッケージ [node-web-gpio](https://www.npmjs.com/package/node-web-gpio) と [node-web-i2c](https://www.npmjs.com/package/node-web-i2c) をインストールします。
```sh
npm install node-web-gpio node-web-i2c
```
これで Node.js から Web GPIO API と Web I2C API を使う準備は完了です。
## Hello Real World
Raspberry Pi に接続した LED を点滅させるプログラムを書きます。
次の図のとおりに配線します。
![LEDの点滅回路の配線図](https://i.imgur.com/419yMxN.jpg)
空のテキストファイル main.js を作成し、Node.js のための JavaScript のプログラムを書きます。
```sh
editor main.js
```
テキストエディターで main.js を次のように書きます。
```js
const { requestGPIOAccess } = require("node-web-gpio");
const sleep = require("util").promisify(setTimeout);
async function blink() {
const gpioAccess = await requestGPIOAccess();
const port = gpioAccess.ports.get(26);
await port.export("out");
for (;;) {
await port.write(1);
await sleep(1000);
await port.write(0);
await sleep(1000);
}
}
blink();
```
書き終えたら保存します。
Node.js で main.js を実行するには、次のコマンドを実行します。
```sh
node main.js
```
LED が点滅すれば完成です 🎉
## いろいろなデバイスを試す
CHIRIMEN ブラウザーから利用できるいろいろなデバイスはすべて同じように Node.js から扱うことができます。
たとえば、次のコードは[温度センサー ADT7410](http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-06675/)を利用して温度を表示するプログラムです。
```js
const { requestI2CAccess } = require("node-web-i2c");
const ADT7410 = require("@chirimen/adt7410");
async function measure() {
const i2cAccess = await requestI2CAccess();
const i2c1 = i2cAccess.ports.get(1);
const adt7410 = new ADT7410(i2c1, 0x48);
await adt7410.init();
const temperature = await adt7410.read();
console.log(`Temperature: ${temperature} ℃`);
}
measure();
```
コマンド `npm i @chirimen/adt7410` を実行すると、温度センサー ADT7410 を利用するための `@chirimen/adt7410` パッケージをインストールできます。
デバイスを扱うためのドライバーのパッケージの一覧は [CHIRIMEN Drivers](https://github.com/chirimen-oh/chirimen-drivers) にありますのでご覧ください。
また、CHIRIMEN チュートリアルのなかには、Web GPIO や Web I2C によって扱うことのできる[外部デバイスとサンプルコードの一覧があります](https://tutorial.chirimen.org/raspi/partslist)。こちらも参考になるかもしれません。
## まとめ
CHIRIMEN ブラウザー版での API の差異をまとめると下記とのおりです。
| CHIRIMEN ブラウザー版 | Node.js |
| ----------------------------- | ----------------------------------------------------------------------------- |
| `navigator.requestGPIOAccess` | `const { requestGPIOAccess } = require("node-web-gpio");` `requestGPIOAccess` |
| `navigator.requestI2CAccess` | `const { requestI2CAccess } = require("node-web-i2c");` `requestI2CAccess` |
| `sleep` | `const sleep = require("util").promisify(setTimeout);` `sleep` |
以上です。
この記事では、Raspberry Pi の Node.js から Web GPIO API と Web I2C API を扱う方法を説明しました。